論作文・面接対策として総合計画を活用する方法
今回は、公務員試験の論作文・面接対策として総合計画をどのように活用するか、具体的手順について書いていきたいと思います。
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総合計画の論作文・面接対策への活用方法(東京都のビジョンを例に)
総合計画は、都道府県の計画の中で最上位の計画で、今後の中長期的なビジョンを示したものです。
その中には、各都道府県の現状と課題が整理されていますので、論文試験対策や面接対策に活用できます。
(総合計画まとめページ)
質問への備えはもちろんのこと、その都道府県の現状と課題、将来ビジョンを知ることで、自分の入庁後のやってみたい仕事などをイメージすることができます。
今回は、東京都の総合計画(『未来の東京』戦略)を例に、活用手順を書いていきます。
1.総合計画の目次をみる
まずは、総合計画の目次を見ましょう。
この場合、「2040年代のビジョン」と「2030年に向けた戦略」とが描かれていますが、おおむねテーマは重なっています。
26ページに概念図が書かれていますが、東京の将来の姿を「ビジョン」として提示し、その実現のための戦略を、その次に記載しているという構造になっているようです。
よって、「2040年代のビジョン」01から20までを、「東京都の取り組む政策分野」と捉えます。
2.政策テーマを整理する
2040年代のビジョンは20項目掲げてあり、これが政策テーマです。
(「01 子供」、「02 教育」、「03 女性活躍」、「04 長寿」、「05 働き方」、「06 多様性」、「07 コミュニティ」、「08 防災」、「09 暮らしの安全」、「10 まちづくり」、「11 交通ネットワーク」、「12 スマート東京」、「13 ビジネス・研究開発」、「14 スタートアップ」、「15 産業」、「16 水と緑」、「17 環境都市」、「18 文化・エンターテインメント」、「19 スポーツ」、「20 全国連携」です。)
3.政策テーマごとに「現状・課題」、「今後の方向性」を整理する
このビジョンでは、東京都の現状、課題、今後の方向性は「2040年代のビジョン」に全て記載してあります。
例えば「05 多様性」のテーマを見てみます。
「現状・課題」は赤囲みの部分、「今後の方向性」はそれ以外の部分です。
ここにある記載を、ポイントを絞って簡潔に整理していきましょう。
なお、データ(数字)もしっかり把握しておきたいものです。
丸暗記感が出ないように、あくまで重要な数字について、○割とか約○千人とかというレベルで活用するようにしましょう。
4.取り組もうとしている具体的施策も参考にしながら、「自分の考え」を作り上げる
「現状・課題」、「今後の方向性」を把握したら、「自分の考え」を作り上げてください。
東京都の場合は、「2030年に向けた戦略」で詳細に示していますので、その取組は参考にしながらも、ただ、それをそっくりそのまま「自分の考え」とするのは、よくありません。
団体が取り組もうとしていることをベースにして、基本は肯定しながら、考えられる問題点も指摘できたり、その対案まで示せればベストかと思います。
5.国内全体の普遍的な課題を確認して補足する
文章のテクニックとして「マクロからミクロ」という書き方が理想ですので、同じテーマについて、国内全体の状況なども把握しておきましょう。
論文作成にどう使うか
これらの材料がそろえば、論文にしていくだけです。
例えば、論文の実際の展開の仕方を、次のとおりとします。
1 問題提起:テーマの現状、課題を説明する。
2 原因分析:課題の原因を分析する。
3 解決策の提示:”自分の考える”課題の解決策を、その理由となる根拠とともに 提示する。
これらを、さきほどの作業から当てはめていきます。
・「1」の現状と課題は、整理した材料で揃うでしょう。(国→都道府県という風にマクロからミクロに流れを作って書くのもいいかもしれません。)
・「2」の原因分析のデータもありました。(不足しているなら、少し自分で調べてみましょう。)
・「3」の解決策は、「自分の考え」を書きましょう。
これらをテーマごとに書いて用意しておけば、万全です。
この準備で最も重要なのは、自分の考えをあらかじめ用意しておくという所です。
ここが差別化のポイントになります。
この作業を地道に行っておけば、論作文試験や面接試験での差別化に、きっと役立つはずです。体裁などは次の参考書で補完すれば完璧です。