バブル崩壊の影響で就職難となった「就職氷河期世代」を対象とした国家公務員統一採用試験も、予定の3ヶ年のうち2年目が終わりました。
2021年は、採用予定数を上回る203人の合格が出ています。
この記事を見ている方は、次の2022年の就職氷河期世代試験で公務員になることを目指している方が多いでしょう。
中には、過去2年の受験でチャレンジされ、厳しい結果に涙をのんだという方もおられると思います。
巷では、この就職氷河期世代対象の試験について、
・「合格できるのは、就職氷河期世代の中でも職歴・経歴のしっかりした上位の人(勝ち組)だけ。」
・「面接で経歴を聞かれるから、非正規という職歴では、結局合格できない。」
という声も聞かれますが、はたしてそうでしょうか。
ブログ筆者としては、「経歴が乏しい」からといって諦める必要はないと断言します。その理由は3つあります。
理由1:就職氷河期世代対象試験の趣旨
1つ目は、就職氷河期世代対象試験を、社会人経験者試験と分けている時点で、「経歴」偏重の評価をする趣旨のものではないということです。
(ここでいう経歴は、どんな仕事、経験をしてきたか、という表面上のものを指します。)
そもそも、受験資格に、雇用状況を勘案している(正規社員を除外している)ところもあるくらいですので、面接においても、経歴、経験だけをもって評価を高くするということは本来の趣旨ではないと、受験実施側も理解しているはずです。
理由2:面接で経歴・経験を問う意味
2つ目は、面接で問われる過去の「経験」について、評価されるものは経歴の大小ではないことです。
これは、就職氷河期世代対象試験に関わらず、通常の社会人経験者試験でも、また大卒程度試験などでも同じですが、いわゆる経験を問う意図は、「コンピテンシー」を確認するためです。
コンピテンシーとは、「ある職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性」です。
過去の場面などで実際に取った行動を聞くことで、将来期待できる行動の再現性を評価するという手法のものです。
ほとんどの面接試験では、この要素の質問がなされます。
大事なのは、コンピテンシーは、成果の「大小」よりも成果の「再現性」にあるということです。
成果の大小であれば、置かれた環境に左右されますので、例えば、非正規の仕事をずっと頑張っていてもその場面に出くわす機会に恵まれないということは、あるかもしれません。
しかし、成果の再現性であれば、例えば、非正規の仕事であっても、その仕事の工夫の仕方や、組織における関係性を、別の環境で再現できるかどうかの評価は十分に可能となります。
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理由3:面接でアピールできるものは経歴以外にもある
3つ目は、面接でアピールできるものは経歴以外にもあるという点です。
面接試験では経歴に基づく経験の質問はもちろんされますが、そこで十分な自信がない場合も、面接官にアピールできる要素が他にあります。
これは、最近の行政機関に最も求められているスキルを持っている(又は勉強している)ことをアピールすることです。
今、最も求められているもの、それは、特にDXが急がれている中、「情報に関するスキル」でしょう。
民間企業でも「リスキリング」がさかんに叫ばれています。
以上が、就職氷河期世代の公務員試験を「経歴が乏しいから諦める」のは間違っている理由になります。
もちろん、何もしなくても救済されるという甘いものではありません。試験制度の趣旨をしっかりと理解した上で、諦めず、強い気持ちで挑んでいただきたいと思います。しっかりと対策に取り組んだ人には、きっといい結果が待っているはずです。
【参考】
最終合格への道を知りたい!という方は、次の記事をぜひ参考にしてください。
過去に行政機関で勤務。自ら収集した情報や公務員の知人からの情報(マル秘情報なし)を整理して、ブログでわかりやすく発信します。
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