・会計年度任用職員から正規の公務員をめざしたい
・会計年度任用職員は試験を有利に進められるのだろうか・・・
・公務員試験対策の具体的な進め方を教えて!
会計年度任用職員として働いている人の中には、「正規職員としてさらに働きたい」と考えながら、どのように進めたらよいか分からない人も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、会計年度任用職員を優遇して無試験で正規職員にするといった制度はありません。
一般の公務員試験を合格しなければいけないことに変わりありませんが、会計年度任用職員としてのメリットを生かして、公務員試験を有利に進めることもできます。
そこで、今回は、会計年度任用職員が正規の公務員試験に合格するための秘訣について書いていきますので、最後まで読んでください。
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会計年度任用職員が正規の公務員試験に合格するための秘訣
会計年度任用職員から正規の公務員をめざす方法は2つ
「会計年度任用職員」は2020年4月にできた制度です。
それまで非正規職員は「非常勤職員」、「臨時職員」に分かれていましたが、これらが全て「会計年度任用職員」に統一されました。
休暇制度や給与面で処遇改善がなされて、「会計年度任用職員は厚待遇でずるい」と言う人もいますが、依然、正規職員との差は大きくあります。
会計年度任用職員は行政職場の一翼を担っていますが、この会計年度任用職員から試験なしで正規職員になるという特別なルートは、残念ながら、ありません。
社会人から公務員をめざす方法は、次のとおりで、正規職員になるには、これらの試験を受験して競争に勝つ必要があります。
1.一般の社会人経験者試験を受験する
2.就職氷河期世代試験を受験する
社会人向け公務員試験の流れ
社会人向け公務員試験の一般的な流れは、次のようになっています。
試験全体を通して、最終的には面接試験が最も重要ですが、教養試験をクリアしないと次に進めない仕組みとなっているところが特徴です。
また、倍率は次のとおりです。
教養試験の山をクリアしても、もう一つ面接試験の山があります。
2023年度の試験日程(主なもの)
(社会人経験者試験)
団体名 | 試験名称 | 申込期間 | 1次試験 |
特別区 | 経験者採用 | 6/22~7/13 | 9/3 |
神奈川県 | 中途 | 6/30~7/14 | 7/28ほか |
横浜市 | 社会人 | 6/22~7/19 | 9/24 |
愛知県 | 民間企業等職務経験者対象 (4月募集) |
3/29~4/21 | 5/21 |
愛知県 | 民間企業等職務経験者対象 (7月募集) |
7/27~8/8 | 9/17 |
名古屋市 | 職務経験者 | 7/4~7/31 | 9/24 |
大阪府 | 社会人等26-34 | 8/3~8/28 | 10/1 |
福岡県 | 民間企業等職務経験者 | 7/10~7/21 | 8/20 |
(就職氷河期世代試験)
団体名 | 試験名称 | 申込期間 | 1次試験 |
国 | 就職氷河期世代 | 7/19~7/28 | 10/29 |
東京都 | 就職氷河期世代採用 1類B 就職氷河期世代採用 3類 |
8/10~8/21 | 10/22 |
神奈川県 | 就職氷河期世代(選考) | 6/30~7/14 | 8/14 |
横浜市 | 就職氷河期世代 | 7/13~7/14 | 9/24 |
愛知県 | 社会人を対象とした試験 | 7/27~8/8 | 9/17 |
名古屋市 | 就職氷河期世代 | 7/4~7/31 | 9/24 |
大阪府 | 社会人等35-49 | 7/10~7/24 | 8/27 |
福岡市 | 就職氷河期世代 | 5/1~5/18 | 6/18 |
それぞれの団体の試験日程は例年同じ時期になることが多いので、翌年度の試験を考える場合は、参考にして対策スケジュールを立てましょう。
会計年度任用職員が正規の公務員試験に合格するための秘訣
合格するための秘訣は戦略を備えること
倍率を見て、受験を躊躇ってしまう人もいたかもしれません。
しかし、受験する全ての人が徹底的に対策をしているわけではありません。
誰でも受験できる試験のため、この倍率には様々な受験者が含まれています。
しっかりとした戦略を持てば、対策が不十分な人より前に出ることができます。
第一関門の教養試験対策で息切れしないように、全体の対策を早い段階から考えておくことが大事です。
試験対策スケジュール
社会人公務員試験の試験スケジュールと対策期間の目安を、整理しています。
対策スタートは半年前を目安としつつも、早ければ早いに越したことはありません。
目標とする試験までの時間を確認して、早速、取りかかりましょう。
■試験対策スケジュール
(参考記事)
「もう時間がない」と諦めるその前に
>>【1か月でも希望アリ!】公務員試験を最短の勉強時間で合格する方法
会計年度任用職員ならではのメリットを生かす
一般の社会人向け公務員試験は民間企業の正社員達との競争になるため、これを不安に思う人も多いと思います。
一般の社会人経験者試験で面接試験まで進んでライバル達に勝つにはどうするか。
面接で語るエピソードの大小を考えれば、民間企業の正社員のライバル達がを上回ることは、難しいでしょう。
しかし、公務員試験の面接試験で評価されるものは、経歴やエピソードの表面上の大小ではありません。
面接では必ず経験を問われますが、その意図は、表面的な経歴などではなく、「コンピテンシー」を確認するためです。
コンピテンシーとは、「ある職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性」です。過去の行動を聞くことで、将来期待できる行動を評価するというものです。
コンピテンシーで大事なのは、成果の「大小」よりも成果の「再現性」にあります。
つまり、それは経歴に左右されず備えることができるものです。
今、会計年度任用職員として働いているのであれば、その仕事の中でできます。
会計年度任用職員ならではのメリットは、働きながら、行政職場で求められるコンピテンシーを知ることができる点です。
正規職員にはどういうコンピテンシーが求められるのか、それを知った上で、自分の現状を見つめ、何をすべきかを考えてください。
面接までにそのギャップを埋めることができていることが理想ですが、仮にできていなくても、行政職場で何が求められるかをわかっていれば、面接で間違った方向の答えをすることは避けられるでしょう。
面接でさらにリードを保つための秘策
面接でさらに差別化を図ってリードするには、「情報系のスキルアップ」が有効です。
最近急速に進んでいるDXやAI時代の到来で、間違いなく行政の世界も変わっていきます。
こうした中で情報スキルには期待が高まっているため、公務員試験の面接試験でアピールすることができれば、評価においてプラスに働く可能性は十分にあります。
もちろん、面接試験のポイントは、志望動機と過去の行動事例から見るコンピテンシーが重要であることは基本ですが、それらに差異がない場合、情報系スキルが差異を際立たせてくれるものとなります。
情報系スキルアップの方法は、次のとおり初心者が取り組めるものから、AIなど新しい分野のものまであります。
ある程度の時間を必要としますので、早めに取り組むことをおすすめします。
まとめ
今回は「会計年度任用職員が正規の公務員試験に合格するための秘訣」を書いてきました。
結論として、その秘訣とは、次のとおりです。
・合格戦略を持って、しっかり取り組むこと
・会計年度任用職員の仕事の中で、正規職員に求められるコンピテンシーを知り、高い意識を持って仕事すること
・面接試験対策として情報系のスキルアップに取り組むこと
これらができていれば、会計年度任用職員であることを武器にして、最終合格に近づけると思います。
【情報系スキルは面接での評価アップ要素になる可能性大】
(おすすめの情報系スキル)
●チャットGPTなど生成AIを使いこなすスキルのプロンプトエンジニアリングのスキルが注目度急上昇
●AI資格なら、まずはG検定、上位はE資格
●ITパスポートもまだまだ歓迎される
●時間的余裕があれば、基本情報技術者試験にチャレンジしたい
面接時に資格取得や受講完了までできていれば望ましいですが、現在勉強中という話をできるだけでも印象・評価は違ってくると思います。