社会人・就職氷河期世代対象の公務員試験の第一関門である「教養試験」。
第一関門にして、最も対策に苦戦するところではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、教養試験の対策におすすめの問題集・参考書などの紹介を中心に、次の順で書いていますので、参考にしてください。
◼️記事の内容
1.まずは受験したい団体の試験内容をチェック
⇒試験内容が3種類のうちどれかを確認しましょう
2.おすすめの問題集・参考書をご紹介
⇒1で確認した試験内容に合った書籍を選びましょう
3.試験全体を見通した合格戦略を考える
⇒試験全体を見通した合格戦略を練りましょう
簡単に自己紹介します。
過去に行政機関での勤務経験あり。自ら収集した情報や総務・人事系の公務員の知人からの情報(当然ながらマル秘情報はなし)を整理して、ブログで発信。目的は、志ある人が公務員になるための役に立つこと。
まずは受験したい団体の試験内容をチェック
社会人を対象とした教養試験の種類は3種類ある
試験勉強を開始する前に、まず、試験内容をチェックする必要があります。
社会人を対象とした公務員試験でも一律ではなく、1次試験の教養試験の内容は大きく分けて3種類があります。
①基礎力系(職務基礎力試験など)
(社会人経験者試験では半分程度の団体)
(就職氷河期対象試験で使用する団体もある)
問題文は、短めです。
短時間で多くの問題数を解答するようになっており、スピードが問われます。
内容は、時事、言語、数的推理などで構成されていて、大卒試験の教養試験などに比べて勉強期間が短くても対応しやすくできており、社会人向けに作られた試験です。
②教養試験(上級)
(社会人経験者試験では残り半分程度の団体)
いわゆる大卒程度の試験です。
難易度は高く、かつ、出題範囲は、社会科学、人文科学、自然科学のいわゆる「知識分野」と、数的推理、判断推理、文章理解、資料解釈などの「知能分野」から幅広く出題されます。
準備は、「①社会人基礎試験」に比べて、格段に必要になります。
(※ただし、新卒の試験と違って「専門試験」はない、つまり、行政・法律・経済分野から選択する、別にある専門試験についての学習は不要ですので、間違わないように気を付けましょう。)
③教養試験(初級)
(就職氷河期対象試験では大半の団体で使用)
いわゆる高卒程度の試験です。
難易度は大卒程度よりも易しいですが、出題範囲は、社会科学、人文科学、自然科学のいわゆる「知識分野」と、数的推理、判断推理、文章理解、資料解釈などの「知能分野」から幅広く出題されます。
準備は、「①社会人基礎試験」より必要になるかもしれません。
具体的には受験案内などで確認
受験を考えている団体の試験内容が3種類のうちどれかを、まず把握しましょう。
最終的には、受験を考えている先のホームページで、2022年度の試験実施計画や受験案内により、必ず試験内容をチェックしてください。
(国家公務員であれば人事院、都庁・道庁・府庁・県庁や政令指定都市の市役所職員であれば各都道府県、政令指定都市の人事委員会などのホームページになります。)
ただし、受験案内公表は、割と試験直前になるので、早めに対策を立てるなら、前年度を参考にしつつ、確実にいくなら試験担当部署に変更予定がないか確認しておくことです。
傾向としては教養試験の内容変更は多くはないため、早めに準備を開始するには、2021年度の内容が参考にはなると思います。
社会人経験者試験(参考:2021年度)
就職氷河期世代試験(参考:2021年度)
おすすめの問題集・参考書をご紹介
試験内容の確認ができたら、問題集・参考書を見ていきましょう。
①『社会人基礎試験』、
②『教養試験(上級)』、
③『教養試験(初級)』の順に、それぞれオススメの本を書いていきます。
①「社会人基礎試験」対策のオススメの問題集・参考書
◆実務教育出版「社会人基礎試験早わかり問題集」★★★★★
4択形式で社会人基礎試験に忠実に対応している唯一の問題集だと思います。巻末に過去の受験者から集めた復元問題もあり、リアル度は高く、「必携」の1冊といっていいでしょう。
◆実務教育出版「速攻の時事」★★★★☆
時事は最新に対応したものが必要です。この本は、過去の傾向もしっかりおさえてあります。「ニュースは見ている」という方でも、意外と漏れていることもありますので、読んでおいた方が間違いがありません。
◆高橋書店「7日でできる!公務員試験 最新時事」★★★★☆
こちらも時事ですが、「7日でできる」というタイトルどおり、ささっと進めます。時間のない方には合っていますし、時間のある方も仕上げ的に読むのに、ちょうどいいと思います。
◆実務教育出版「無敵の文章理解 メソッド」★★★★☆
文章理解は、対策なしでもできそうな気にもなりますが、テクニックがあります。解くための戦略=テクニックがしっかり詰まっていて、まさに無敵になります。
◆エクシア出版「畑中敦子の社会人採用 数的処理ザ・ベスト」★★★★☆
数学に苦手意識がある方は難しいと思いがちな数的処理ですが、解法さえ分かればむしろ得点源になると言われています。この一冊は、わかりやすく導いてくれます。
②「教養試験(上級)」対策のオススメの問題集・参考書
◆実務教育出版「地方上級教養試験 過去問500」★★★★★
サイズが大きくて持ち運びは難しいですが、じっくりと取り組むには十分な一冊です。
◆実務教育出版「新スーパー過去問ゼミ6」★★★★★
公務員試験対策で最も支持があり常に進化し続ける超定番シリーズです。教養試験対策のため、「社会科学」、「人文科学」、「自然科学」、「判断推理」、「数的推理」、「文章理解・資料解釈」の6冊が対象になります。
③「教養試験(初級)」対策のオススメの問題集・参考書
◆東京アカデミー「オープンセサミシリーズ参考書」★★★★★
初級は高卒程度ですが、昔の教科書を引っ張り出してくる余裕はありません。このオープンセサミシリーズは、広い範囲を5冊にまとめてくれています。独学の場合、まずは、ここから、という「必携」の参考書5冊です。
◆成美堂出版「最新最強の地方公務員問題 初級」★★★★★
まだ昔の勉強の記憶がある方は、こちらを選んでもいいと思います。また、さきほどのオープンセサミシリーズをやって、あとはこちらに移行する(持ち歩いたりする)のもありかもしれません。項目ごとのポイントが2ページずつ、きれいにまとまって、頭に入りやすいようにできています。
◆実務教育出版「高卒程度公務員完全攻略問題集」★★★★☆
項目ごとに、「最重要テーマ」、「基礎問題」、「実戦問題」の順になっていて、読み進めやすい仕様です。
◆高橋書店「初級 地方公務員 過去問ベスト」★★★★☆
「7日でできる」というタイトルどおり、時間がない方には合っています。時間のある方も仕上げ的に読むといいと思います。
◆実務教育出版「地方初級教養試験 過去問350」★★★★★
サイズが大きくて持ち運びは難しいですが、じっくりと取り組むには十分な一冊です。
以上、独学での問題集・参考書として、おすすめのものを紹介しました。
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試験全体を見通した合格戦略を考える
参考書と問題集を使った「独学」だけで最終合格できれば、最も理想的ですが、なかなか難しいところもあります。また、最終合格に向けて、教養試験対策だけでなく様々なことを検討することが必要です。
オススメの予備校・通信講座
教養試験対策を理解をするのに「参考書による独学だけでは難しい」という方は、「通信講座」を組合わせてみてはいかがでしょうか。
独学の場合、まず参考書などを読んで「理解」した上で問題集に取り組むわけですが、通信講座でポイントを捉えたレクチャーを聞けば、よりスムーズに「理解」でき、参考書の代わり、または、それ以上の効果的なものとなりえます。
また、勉強をスタートしようという時期が試験日まで6か月を切っている場合なども、通信講座を検討した方が無難かもしれません。
公務員試験の予備校・通信講座は、通学、通信講座、ウェブ通信講座など、いくつかありますが、時間のない社会人には、やはり、「ウェブ対応した通信講座」が最もおすすめです。
そこで、次の記事でウェブ対応した社会人向け通信講座のうち、費用的に負担の低めなものをピックアップしましたので、検討したい方は次の記事もご覧ください。
試験全体の戦略も重要
今回紹介した参考書・問題集は、第一関門の教養試験対策になりますが、公務員試験は、そのほか、論文試験対策、面接試験対策などで構成されています。
それら全てをクリアしなければ、公務員になることはできません。
詳細は、次の記事に記載していますので、こちらをご覧ください。
おわりに
今回は、社会人・就職氷河期世代対象の公務員試験におすすめの問題集・参考書などを中心に書きました。
まずは、問題集を手に取って一歩踏み出しましょう。
そして、力を付けて、試験日には自信を持って挑めるよう、頑張りましょう!
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